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 20141024

 「世界文化遺産」地域連携会議 総会(於・京都国際ホテル)議事録


 
 

 お世話役・島川

 みなさんこんにちは。当会のお世話役をしております、東洋大学の島川です。

定刻になりましたので、これから「世界文化遺産」地域連携会議平成26年度総会を開催させていただきます(資料確認)。それでは会の会長であります、門川大作京都市長より開会ご挨拶をお願いいたします。

門川会長

皆さんこんにちは。ようこそ京都にお越し下さいました。

「世界文化遺産」地域連携会議の会長の京都市長・門川です。

会の発足から3年、今年もわが国の世界文化遺産に関する地域、また多くの世界遺産の保存・活用のご関係者に集っていただけたことを、心から嬉しく思っております。

また、この会が世界文化遺産に関わる関係者が積極的に知恵や情報を交換し、さまざまな問題を解決するための「プラットホーム」として活動できているのも、皆様方のご協力があるからこそです。

心から感謝申し上げます。

さて、嬉しいニュースとしてこの夏、「富岡製糸場と絹産業遺産群」が新たに世界文化遺産に登録されました。おめでとうございます。

4つの市町、全てが私たちの仲間になって下さるということで、今日は富岡市長、伊勢崎市副市長様、藤岡市教育長様にもお越しいただいております。ご入会を心から歓迎いたしますとともに、志やノウハウを共有しあい、ともにがんばって行きたいと思っております。

 そして、本日はこの後、初めての「世界遺産サミット」が開催されます。またその終了後は京都市の世界遺産登録20周年事業であります「アクアリウム城」の見学会。伝統と革新、その素晴らしさに触れていただければと思います。そして再びこの部屋にお戻りいただいて交流会と、盛りだくさんの内容となっています。

これから議事を進めたいと思いますが、この場は会内部の実務的なお話を中心に、井戸事務局長が丁寧に話を詰めてきて下さってますので、この会はできるだけ短くすませ、世界遺産に関わる皆様のご意見やアイデアについては「サミット」や交流会の場で、どんどんご披露願いたいと思っております。

有難うございます。

(拍手)

門川会長

それではまず、本日のご出席者と新メンバーの紹介。これを事務局の方から井戸さんお願いします。

お世話役・井戸

 こんにちは。事務局長ではありませんで、3人おりますお世話役の1人・歴史街道推進協議会の井戸でございます。座ってご説明させていただきます。

まず、本日のご出席者ですが、サミット・交流会も含め、資料2Pから4Pのようになっております。お一方ずつご紹介すべき所ですが、時間の都合もありますので、役員のみのご紹介とさせて戴きたいと思います。

門川会長のお隣が会の顧問、前ユネスコ事務局長の松浦様でございます。(拍手)

次に、会長の左隣が副会長の小城斑鳩町長でございます。(拍手)

次に各市町村を北から順にご紹介いたします。

幹事の平泉町・青木町長。(拍手)

新規登録されました富岡製糸場と絹産業遺産群より、藤岡市の田中教育長、伊勢崎市の吉田副市長、そして富岡市の岩井市長です。(拍手)

富士山からは富士河口湖町の渡邊町長(拍手)、同じく富士宮市の須藤市長。(拍手)

白川郷・五箇山からは南砺市の田中市長でございます。(拍手)

近畿に移りまして、大津市の越市長はサミットから合流になったとのことでございます。そして宇治市の山本市長。(拍手)

紀伊山地の霊場と参詣道から、吉野町の北岡市長。(拍手)

厳島神社の廿日市市からは原田副市長、少し遅れられるとの連絡をいただいています。

岩見銀山の大田市からは竹腰市長。(拍手)

そして沖縄・中城村から浜田市長にお越しいただきました。(拍手)

以外に東紀州地域振興公社から安藤事務局長。また日光市・奈良市・天川村・姫路市・広島市からも代理出席をいただいており、今日は14の文化遺産地域全てにご出席をいただいている、ということになります。

 続いて資料5ページが昨年度総会以降に新しく会のメンバーになられた方々です。

1でございますが、富岡製糸場と絹産業遺産のご関係から4市町、加えて紀伊山地の霊場と参詣道からも2つの市町が新しく入会されました。2が民間メンバーです。研究者、地域リーダー、メディアや旅行関係の方々が中心ですが、12名の方々に加わっていただきまして、民間の方は総勢103名となっております。資料最終ページにメンバーリストを載せておりますので、ご参照下さい。

門川会長

はい、有難うございます。それでは新規参加地域を代表いたしまして、富岡市の岩井市長さんから一言お願いいたします。

岩井・富岡市長

こんにちは。群馬県・富岡市長の岩井でございます。このような会のメンバーに加えていただいて、心から感謝申し上げます。

富岡製糸場と絹産業遺産群ですが、ご関係者の大きなご協力によりこの度、世界遺産となることができました。今日お越しの松浦さんにも大変お世話になりました。心から御礼申し上げます。

また12月には世界遺産登録に伴い、国宝というおまけまでついて参りました。

どうもこういう所を見ていると、文化財の保全という点では、わが国は少し遅れているのではないかという気もいたしますが、そうしたことも含め今後とも宜しくお願いいたします。

門川会長

有難うございました。それでは議案1・幹事の就任について井戸さん、説明宜しくお願いします。

お世話役・井戸

規約により、各市町村長と民間人若干名に幹事になって戴くことになっております。従いまして、5P下に記載の新入会された6つの市町村長様に幹事就任をお願いしたく存じます。

門川会長

確認の拍手をしていただければ・・・(笑)

(拍手)

門川会長

それでは引き続き議案2・平成25年度の活動・決算につき説明して下さい。

お世話役・井戸

議案2でございますが、資料の方は6Pから9Pでございます。

発足3年目の3つのテーマは「国への提案活動開始」「地域・官民共同事業の推進」「連携・交流の促進」ということでございました。

まず6P、第1の「国への提案活動」については昨年8月に2回目の国への要望活動をおこなっております。「世界遺産特別法」の制定、世界遺産を活かした外国人観光客の誘致に加え、それに加えまして各地ごとの要望をおこなっていただきました。訪問先は(1)のような箇所となっております。

第2に7P、「地域・官民連携事業の推進」では、観光ゴミ持ち帰り用のステッカーを各地でご活用いただいているほか、研究分野として、今日沖縄からお越しの緒方さんのご尽力もありまして、沖縄における内閣府調査に参加させて戴いております。

(3)@ですが、登録20周年を迎えられた姫路でのシンポジウムには松浦顧問にご出席いただきました。Aですが、20周年の姫路・斑鳩、15周年の奈良でメディアメンバー各位の所に訪問させていただきました。今日も地球の歩き方の植木さん、PHPの寺田さんがお越しでございます。

(4)の情報発信面では、今日東京からお越しの野々村さんのご尽力による「世界遺産地図展」。

以外に8PA−Cのような活動をおこないました。

最後に「連携・交流」に関することが8P後半に記載されています。総会・地域交流会・メーリングリストを通しての日常的な情報交換などを継続しております。

続きまして議案3の平成24年度決算報告に参ります。資料は9Pです。

 と言いましても残念ながら大した話ではありませんで、収入は交流会費と立替金。支出の方で会の会計に直接関係いたしましたものと併せ、それぞれ49万9707円でございました。支出面では要望活動費が8万円強、総会や交流会費が計28万円弱、旅費交通費が8万円弱となっております。

 資金はなくてもこの程度の事業ならできるといった意味では、「はからずも」会の持続性は保障されているとご理解下さい(笑)。ご報告の方は以上です。

門川会長

少ない資金の中であらゆる方々のご理解ご協力を得て会を運営してもらっています。井戸さん、感謝申し上げたいと思います。

それでは何かわからない点とかはありますか?挙手にてご質問ください。

・・・ないようでしたら、監事の寺田さんから監査報告をお願いします。

監事・寺田

平成26年度の決算につき見させていただきましたが、経理内容・決算額等、全て適正に処理されており問題ございませんでしたので、ご報告申し上げます。

 門川会長

 それでは引き続き議案3を説明してもらってから、ご承認をいただきたいと思いますので、議案の3を本年度の活動計画と予算・・・と言いましてもう半分くらい終わってしまっている訳ですが(笑)、ご説明願います。

お世話役・井戸

本年も会の3つのテーマは昨年と同じです。

まずは11Pが国への提案活動です。世界遺産議員連盟が昨年から超党派になり、ようやく年末に新会長が決定しております。こうした先生方との連携をうまく取っていきながら、時間はかかるかも知れませんが、世界遺産特別法などの実現に向け努力したいと考えています。

次に12Pでございますが、「地域・官民連携事業のさらなる活性化」の面では、現状の事業を地道に継続して行きつつ、(1)各世界遺産地域が共同でコトを起こすことによって、日本全体に一定のインパクトを与えることができるような事業、そういった事業分野は何も観光ゴミの持ち帰り運動以外にも色々あるのではないかと思います。

他にどんなことがやっていけそうか、是非皆様からのアイデアをいただければと思います。

(2)の研究分野では「世界遺産特別法」はもちろんですけれども、東京オリンピックへの対応という意味で、Aの世界遺産を活用したインバウンド推進、特に欧米からだと思いますが、そういったことを大きなテーマにできるかも知れないということを考えております。

(3)情報発信面ではすでに、20周年・15周年、また10周年の地域でメディア・メンバーへの訪問を6月に実施しております。加えて今日から二条城でのイベントが始まります。以外にも地域と地域、官と民の連携による情報発信力の強化に取り組んで参りますので、皆様よろしくご協力下さい。

 3つめの「連携・交流の促進」面では既存事業に加え、本日の「世界遺産サミット」開催、また9月に地域リーダーを主体に高野山でおこなわれた「世界遺産観光地サミット」への協力などの活動をおこなっています。こうしたことを通し市町村長さんや各地スタッフ、また地域リーダーの皆さんどうしの交流促進がさらに進んで行けばいいなあと考えております。高野山では今日お越しの日光門前まちづくりの岡井さん他の方々にパネリストをお願いいたしました。

また、(4)(5)にあるように、どうやったらもっと様々な事業がスムーズに実現できるような組織にして行けるのか、またこの組織の発展のあり方、どうしたら持続可能な組織として運営していけるのかについても是非、引き続き皆様からのご意見やアイデアを頂戴したいと思っております。

13ページに参りまして予算面では、サミット協力金が198万円、市町村会の会費が80万円、交流会費が35万円などで合計314万円の収入予算を組んでおります。

支出の方はそれぞれ収入の部と対応するような形でサミット開催が198万円、交流会収入から35万円を支出。また市町村会の会費収入80万円から会議費45万円、通信費2万円、パンフレット・HPの改訂にそれぞれ20万円、その他消耗品費として2万5千円、旅費交通費についてはお世話役3名分、もう一人花岡さんおられますが、3名分として24万円を支出させていただき、合計314万円としております。ご説明は以上です。

門川会長

有難うございました。

ここで、ご質問等ございませんでしょうか?

・・・それでは後ほどまとめて意見交換等させていただきたいと思います。続いて議案の4・市町村会の会費について井戸さん、宜しくお願いします。

お世話役・井戸

市町村会の会費につきましては、昨年度の総会におきまして会長よりご提案がございました。そして本年度からの実現を目指し検討して参りました。「必要最小限の額とすること」「会費等の負担なしという前提でスタートした会でございますので、負担できない市町村を会から排除するようなことがあってはならない」。こうした点を大原則にしながら、「目標額を100万円」とし、それを「市町村長会の予算として計上」して肝心かなめの部分、すなわち要望活動やパンフレット・HP等の基礎広報、および同会の運営に不可欠な旅費交通費・郵送費などに充当すること、また平成26年度の予算計上が困難な市町村については初年度の負担を免除することとして調整をおこなって参りまして、その結果、15P下側にありますような「分担希望額」の設定に至っております。

もう年度半ばを過ぎておりまして誠に恐縮ではあるんですが、是非、希望額として皆様方にこの場でのご承認をいただきたいと考えております。

門川会長

 前回の総会での議論を丁寧に個別に調整いただき、ご覧のような案になっております。

 皆様方、いかがでしょうか?

 それでは決算・予算、それから先ほどの市町村会費の件、ご意見があれば挙手でお願いいたします。

 十分な調整はしていただいてるんですが、ご意見あればどんどん出していただきたいと思います。

なければ・・・小城副会長、いかがでしょうか?

小城副会長

もともとは桝本さん(元・京都市長)の時代に会ができ、何箇所か回って会議をしておったんですが、それが頓挫して、新たに門川さんの下でやり直そうということになった訳です。世界遺産を永遠に保全していこうという中で、井戸さんもなかなか大変だと思います。いずれにせよ何かをやろうとすれば最低限のお金は要りますので、市町村もできる限り協力はしないといけないと思っています。

門川会長

井戸さんには大変なご尽力をいただいてます。

これだけの地域が集まって世界遺産の過去・現在・未来を語ろうということですから、皆さん是非ご協力願います。

拍手をもって、議案2・3・4、ご承認願えますでしょうか?

 (拍手)

 それでは以外の、討議しておくべき点につきご説明下さい。

お世話役・井戸

会としての議論が必要ではないかと思われることが2点ほどございます。

1つは自然遺産地域との関係でございます。本日のサミットには自然遺産地域も参加されることになっているなど、本年度から自然遺産との交流が本格化しつつございます。そうした意味では、今後「もし自然遺産市町村からの申し出があれば」会を自然遺産市町村も含むものにしていくことを視野に入れて行く必要があるのではないか、という点でございます。

ただし、自然遺産は比較的小規模な自治体が中心でございまして、今回サミットを契機に「まず自然遺産地域間で連携を」と考えておられる地域があるということも聞いております。また会には今3名のお世話役がおりますが、これ以上関係地域が増えると3名ではもう回っていかないという面もございます。

そうした意味では自然遺産との交流を前向きに考えつつも、あくまで先方さんの意思を重視しながら、あまり焦らずに対応していきたいというのが1点目でございます。

もう1点は会の総会とサミットとの関係をきちんとしておかなければいけないのではないかという点でございます。

 本年度は新しく超党派となった世界遺産議連の動きがなかなか見えてこなかったこともあり、そこで京都が20周年ということもあって東京での要望活動はやらなかった訳ですが、次年度以降はやはりこれを再開し、それとあわせて東京で総会を開催することが原則ではないかと思います。

一方で、観光庁は「世界遺産サミット」を次年度以降も都道府県や暫定候補地域なども巻き込んで、全国各地で開催していきたい意向を持っておられまして、次年度はすでに和歌山県が名乗りを上げておられます。

そうした意味で、ここをどううまく考えていくのかということでございまして、基本的には次年度以降は会主催事業としての総会を東京で、観光庁主催、会は協力もしくは共催団体の1つとしての世界遺産サミットが地方で開催されるという方向を原則に考えていくことが妥当ではないかと、今の所思っている訳でございます。

併せまして、各市町村で「世界遺産サミット」誘致を希望されたいご希望があればできるだけ総会までに意思表明をいただいて、会として観光庁との調整をおこなうという形が望ましいのではないかというふうに考えております。ご説明以上です。

門川会長

 有難うございます。

 それでは決議は後でおこなうこととして、これらの件につきご意見ご質問があれば・・・今年は要望活動はできませんでしたが、一方では観光庁長官や文化庁の文化財部長が今日のサミットに参加してくれておりますので、実質的な要望活動は今日しっかりとやっていきたいと思います。

 それから総会とサミットの在り方ですが、サミットは観光庁主導ということなんですが、同時に文化庁も大事にしながら、そうした国挙げての形に発展していくように、我々も要望し支援していかなくてはいけないと思います。

議案も含めご意見ございませんか?

・・・それでは議案につきまして、ご確認の拍手をお願いいたします。

(拍手)

門川会長

スムーズな進行にご協力いただき有難うございます(笑)。

それでは少しお時間もありますので、議案と関係ないことでも結構でございます。

何かご発言ある方、挙手をお願いいたします。

・・・特にないようでしたら、井戸さんより、今日のここからの予定をお知らせ下さい。

お世話役・井戸

さて、本日のこれからですが、17Pをご覧いただければと思います。

本日14時よりお隣の「二条の間」にて「世界遺産サミット」が開催されます。各市町村長様のお席は最前列、以外の自治体ご関係者のお席を二列目、また4列目までをこの会などのご関係者席としてご用意させていただいております。

市町村長様にご出演いただく「パネルデスカッション」は休憩をはさんだ後半の部でございます。予定では15:40スタートですので、休憩時間終了までには最前列のお席に一旦お戻りいただき、司会からの各地紹介で北海道から沖縄までの指定地ごとに、資料17Pにありますお席までご登壇いただきたいと思っております。

なお今朝がた、紀伊山地の高野町長さんが急きょサミットにご参加いただけるということになりましたので、お席の方は吉野町長様の次にご準備させていただき、廿日市市さん、中城村さん、申し訳ありませんが1つずつズレていただく形でお願いしたいと思います。

パネルディスカッションの中味につきましては、テーマを「世界遺産の保全」と「持続的観光」の2つにしぼりたいと考えております。

18P19Pのような順番で2−3分ずつ、できるだけテンポよくやりとりをしていただきまして、できれば時間を余していただいて2つのテーマに関するフリーディスカッションの時間を作りたいと考えております。なお、サミットの終了は当初17時の予定でしたが、21市町村様にご参加いただけるということですので、最大17:30までの延長をさせていただきたいと思います。

17Pに戻っていただきまして、サミットが終了いたしましたら、ホテル正面にあります二条城にて、京都市さんの登録二十周年事業「アクアリウム城」のプレミアム見学会がございます。受付でお配りした入場証で入場ができますので、是非こちらのほうにもご参加下さい。18:30頃に会場奥の方でテープカットがありまして、それが終了しましたらまたこの会場にお戻りいただき、19:00頃からここで観光庁等とも合同の交流会をこの会場にておこなわせていただきたいと考えております。以上でございます

門川会長

世界遺産の関係では松浦顧問が大変な役割を果たして下さいました。

最後にお一言お願いできますか?

松浦顧問

今年も世界遺産を直接管理されている責任者の皆様にお会いでき大変嬉しく思います。

それから富岡製糸場と絹産業遺産群に関わる4つの地域の皆さん、この度は誠におめでとうございました。石見銀山の構成にも産業遺産が含まれていますが、富岡は実質的にはわが国初の産業遺産としての登録です。

さて、1994年のユネスコの世界遺産委員会で、実は2つの大きな合意形成がされました。

1つは地域の拡大をしていこうということ。日本も1992年に世界遺産条約を批准しましたが、当時の世界遺産はヨーロッパ、さらに言えば西ヨーロッパに集中していました。

もう1つは世界遺産の内容を多様化していこうということ。これは先ほどの「地域の拡大」と裏腹な関係にある訳ですが、西ヨーロッパのキリスト教文化にかかわるもの中心ではなく、もっと内容を多様化していこうとする動きになりました。

日本でも当初は文化庁が中心でしたが、世界遺産条約を批准してから何年か経ち、これからは地方のイニシアチブを尊重して行こうという動きになってきました。日本全体での世界遺産への関心が、ある意味では他国以上に高まり、今では安倍内閣の地方創生との関連でも世界遺産が取り上げられるようになりました。

世界遺産をめぐる昨今の動きは概ねこのようなことです。私自身もこうした流れの中で何らかのお役に立てればという思いで、この会の顧問も引き受けさせていただいている次第です。

次にこれからのお話、また国内中心の話についても触れておきたいと思います。

これから国内登録についてはまず九州・山口の産業遺産群です。8府県、構成が23ということで、うまく登録されればこの会もだいぶ広い部屋でないと総会ができなくなります(笑)。

九州・山口については先日、現地調査がありまして、これを踏まえイコモスの委員会にて現地調査に行かれた方々と色々なやりとりがあります。そこで論点整理がおこなわれ、通常では5月の始め頃にイコモスからの勧告がなされます。そして最終結論は世界遺産委員会。今年はドーハで開かれましたが、来年はボンです。焦点の1つは稼働している産業施設をどう取り扱うかという点で、こうした新しい論点を含んでいます。

その次に来そうなのは長崎県中心に進めているキリスト教遺産ということですが・・・これからも日本の世界遺産が着々と増えてくることを願っております。

最後になりますが、古都京都の文化財ご関係者の皆様、この度は登録20周年おめでとうございます。

20年間、しっかり管理されて来られたことに敬意を表します。

言うまでもないことですが、世界遺産は登録されて終わりというものではありません。どう構成資産の普遍的価値を保全するか、また最近では緩衝地帯ふくめてどう景観を守るかが大きなテーマになっています。平泉でも紆余曲折がありましたが、特に日本の場合は電線や看板の問題がある。こうした中、20年の歳月を通し、京都が新たにつくられた景観条例は非常にいいものだと感じています。

いずれにしましても、地方のイニシアチブが求められる中で今日、こうして世界遺産を管理する責任者が集まられたのには大きな意義があります。共通する課題も少なくないと思いますので、活発に意見交換していただくことを期待しています。

門川会長

有難うございます。他に何かご発言がないようでしたら、少し早いですがサミットの会場に移りたいと思いますが、いかがですか?

・・・では私からも最後に・・・この会は世界遺産と基礎自治体の連携をキーワードに発足しました。とりわけ基礎自治体が結束すること何よりが大事です。その意味では、次回のサミットは和歌山県が開催されるということのようですが、和歌山でも是非、基礎自治体に頑張ってもらいたい。また、第3回ということでここにお集まりの基礎自治体のどこかが頑張ろうということになれば、それを会として観光庁その他と調整して行くということにしたいと思います。

井戸さん、あと何かありますか?

お世話役・井戸

2つほどお伝え忘れがありました。1つはパネルディスカッション時の各地のご紹介ですが、ご登壇いただく際に18地区ごとの写真をパワーポインターで表示し、司会の方から何をもって登録されたのかとか、観光資源は何が中心なのかとかについてご紹介させていただきます。ですので、市町村長様からのご発言の方はできるだけ先進事例となる政策的なことにしぼってお願いできればと思っております。

 もう1つ、急きょご参加いただけるようになった高野町長さんですが、9月に高野山にて世界遺産観光地サミットを開かれていますので、そのご報告含め、パネルディスカッションの後半、観光の部のトップバッターでお願いしたいと思っております。

門川会長

 それでは総会の方はこれで終了させていただきます。引き続きサミット会場の方にご移動願います。


 お世話役・島川

 これをもちまして、「世界文化遺産」地域連携会議平成26年度総会を終了させていただきます。ご協力有難うございました。


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